<創作むかしばなし>

                三上山縁起                

 写真を最後尾に追加掲載しました
   (2005年10月1日)
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1.はじめに:    ようやく解読ができました   滋賀県の野洲に越してから数年経ったある日 家の庭を掘り起こしていた   ところ 石板の破片3個を見つけました 石板には文字らしき符号がかす   かに刻まれていました    以来10数年余り 必死に解読作業に没頭してきたところ ようやく全文   の翻訳ができました    刻まれていたのは 近江富士 とも呼ばれて親しまれてきた 三上山    の起源を記した昔話でした    まだ歴史学会などに報告していませんが 「近江の散策」会員の皆さまだ   けへ 特別に 本邦初公開 させていただきますのでご笑読ください    (本文の後に解説を入れました) 2.むかしばなし: 三神山のいわれ  むかし 天地を司る神が淡海(注:琵琶湖のこと)の場所を移しま した 天地の神は 新しい湖の場所を示すために 近くに山を作ることに しましたが その山の形をどうしたらよいものか悩みました 新しい湖の近くには 武の神 農耕の神 快楽の神 がいました  そこで 神々の希望を聞きました    武の神は 馬の手綱をかけられる形がよいと言いました  農耕の神は 多産を祈るのに若い娘の乳の形がよいと言いました  快楽の神は 遊女が胸当てを外した乳の形がよいと言いました 天地の神は それらの希望を取り入れて山の形を整えました そこで この山は 三神山 と呼ばれるようになりました  3.解説:  1)長い歴史でみると 琵琶湖は移動しているそうです    600万年位前に三重県にできた湖は 次第に滋賀県に移動しましたが    130万年位前には消滅してしまいました     現在の琵琶湖は 100万年位前から新しくできたようです    カスピ海とバイカル湖に次いで 世界で三番目に古い湖だそうです   2)今回ご紹介した昔話は 現在の琵琶湖が生まれたときの神話です    しかし この神話に登場している神々は 今も生き残っているようです    以下の説明から頷いていただけないでしょうか   武の神 が住んでいた場所は 現在の栗東市付近だと推測されます     ちなみに ご存じかと思いますが 現在の栗東市には競走馬のトレーニ    ングセンターがあります    栗東市から見る三上山は 頂上に馬の手綱が置けるような窪みができて    います     mikami02.jpg     栗東市から見た三上山   農耕の神 が住んでいた場所は 野洲市付近だと推測されます    三上山は野洲市にあります その三上山から琵琶湖まで広がっている野    洲市は 美味しい米の採れる平野を抱えています    野洲市から見る三上山は 農耕の民が安堵感を抱くような穏やかな形状    を見せています(写真手前を流れているのは野洲川です)  mikami01.jpg    野洲市から見た三上山   快楽の神 が住んでいた場所は 近江八幡市付近だと推測されます    かつて 近江八幡は城下町として栄えました 多くの人が集まる所では    快楽がもてはやされることも自然の成り行きと言えます    それにしても 近江八幡から見る山の形は官能的ではありませんか    今風に言えばGカップのように豊満で 突き出た先端につい指を伸ばし    て.. というような妄想がかきたてられます (..と感じるのは私    だけでしょうか?!)  mikami03.jpg    近江八幡市から見た三上山 4.関連情報:    近江富士(三上山)は四季折々に美しい風景を展開してくれます   近江富士に魅せられ 30年以上にわたって近江富士の写真を撮り続けて   きた方がおられます 野洲市在住の 八田 正文 さんです   近江富士の風景を まじめに鑑賞したい方は こちらをご参照ください     近江富士(http://www.h5.dion.ne.jp/~omfj/) 5.おわりに:    三上山は 高さが400メートル余りしかありませんが 琵琶湖対岸な   どの遠く離れた所からでも見つけることができます    近江の風景を語るときには欠かせない存在です    その起源において 三神山 がいつ頃からどうして 三上山 と呼ばれ   るようになったのかはわかりません   なお 考古学論文等を執筆される方は 今回ご紹介した記事を引用してい   ただいても差し支えありません (..ハッハッハ)                   (散策:2005年2月22日)                   (脱稿:2005年2月25日) -------------------------------------------------------------------  追記: 近江富士は見る位置によって色々な形を楽しませてくれると共に     滋賀の各地から遠望することができます     その様子を示す写真をいくつか追加してみます mikami04.jpg  まずは 南の方角から ←信楽に近い金勝(こんぜ)山より  ↓野洲川上流の三雲という地区より mikami06.jpg kutsuki03.jpg  次は琵琶湖西岸から ←琵琶湖大橋の少し北より  もっと北の白髭神社より  ↓(鳥居の中にかすかに見える) kutsuki02.jpg ggolf.jpg  最後に我が家の近くから ←野洲川の河川敷公園より  ↓私の別荘地(市営墓地)より mikami05.jpg                    (追記:2005年10月1日) ------------------------------------------------------------------
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